大判例

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神戸家庭裁判所尼崎支部 平成2年(少)2376号

主文

少年を中等少年院(一般短期)に送致する。

理由

1  非行事実

司法警察員作成の平成2年10月26日付の少年事件送致書記載の犯罪事実のとおりであるので、ここにこれを引用する。

2  適用法令

建造物侵入の事実につき 刑法130条、罰金等臨時措置法3条1項1号、刑法60条

窃盗の事実につき 同法235条、60条

3  処遇の理由

本件は、共犯者三名との共謀による窃盗1件であるところ、その犯行の罪質、動機、態様、平素の行状並びに父親の指導監督能力(家庭環境)その他少年本人の資質等、殊に本件犯行の動機はシンナー吸入の目的であったこと、「ジャンケン」で窃盗の実行行為担当と見張り役を定め、本件の場合、Aが実行行為を担当し、他三名が見張り役になり、Aは、コンクリート塀を上がり、これをつたって歩き、倉庫に侵入していること、本件被害倉庫には、本件犯行前数回入り、シーラ1斗缶を窃取したごとく窺われるのであって、同一被害場所の管理のすきを狙った大胆なものであること、シンナー吸入は昭和63年冬ころから、約2年間吸い続け、数え切れない位多数回にのぼり、幻覚も最初のころ1か月間に7、8回もあったが、最近も2回位発現しており、いわゆる薬物(シンナー)依存性が強度であり、結局シンナー獲得のためには手段・方法を選ばなくなり、シンナー取得のためには全く罪障感を感ぜずに本件のように忍び込み窃盗等を敢行するようになっていること、父子家庭で少年に対する指導監督が行きとどかず、指導力の不足は父親自ら自認していること、少年は深夜はい徊等で補導歴8回あり、非行歴も3回あること、その他諸般の事情を総合すると、在宅処遇で少年の健全育成を図ることは至難であり、シンナー吸引に対する根強い依存性とシンナー獲得のためには窃盗等の犯罪を敢行するのも辞さないという反社会性を矯正するためには、早期に強力かつ集中的な規律ある生活態度と正しい規範意識を身につけさせることが肝要であり、施設内処遇が最適の手段であると判断した次第である。

よって、少年法24条1項3号、少年審判規則37条1項、少年院法2条3項を各適用して主文のとおり決定する。

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